おいしい氷を作ろう!
氷は水が冷えて固まっただけのものですが、作り方によって味や色が全く異なります。
家庭の冷凍庫で作った氷は「まずい」「遅い」「溶けやすい」と悪い三拍子が揃っています。
しかし、ちょっとした工夫をするだけで家庭でも「おいしい」「速い」「溶けにくい」氷を作ることは可能!
簡単なのでぜひチャレンジしてみましょう!
氷屋さんの氷の作り方
氷屋さんの氷は透明に透き通っていて、とてもおいしいですよね。
でも、どうやって作っているか知っていますか?
答えは、「塩水で水を冷やして氷を作る」です。
氷屋さんでは、マイナス9度のとても濃い塩水で、容器に入れた水を冷やして氷を作っています。
また、それだけではなく、50時間かけてゆっくりと均等に冷やしています。
しかし、家庭の冷凍庫の温度はマイナス20度。
これでは急激に冷えてしまうので水の分子が安定せず、ミネラルなどの不純物・空気・塩素ガスも混ざるため、不味くて白っぽい氷ができてしまうのです。
家庭でもおいしい氷を作るには、ゆっくり凍らせることが大切。
以下のような方法で作るようにしましょう。
■おいしい氷の作り方
1.製氷皿に水をいれて、ポリ袋に入れます。
2.1をタオルで包んで冷凍庫へ入れます。
通常よりも、1時間多くかかりますが、透明でおいしい氷を作ることができます。
ゆっくりと凍らせたものは、溶けにくく長持ちします。
氷を速く作る方法
氷を短時間で速く作るには「ムペンバ効果」を利用します。
ムペンバ効果とは、1963年にタンザニアの少年・ムペンバ君(15歳)が偶然発見したもの。
ムペンバ君は、授業でアイスクリーム作りをしていた時、粗熱を取らずに冷凍庫に入れたところ、粗熱を取ったものより速く凍ったことに気付きました。
これはとても不思議な現象ですが、このムペンバ効果は後に研究されて事実だと証明されています。
研究では、20度のお湯を凍らせるのに100分かかったところ、100度のお湯を凍らせるのには30分しかかからない、ということが分かりました。
ただし、この現象の原因やなぜ起きるのか、ということはまだ解明されていません。
お湯が蒸発する時に熱が奪われる気化熱が関係している、とされていますが、決定的な証拠はありません。
家庭でも製氷機にお湯を入れて冷凍庫に入れれば、いつもより速く氷を作ることが可能。
冷凍庫の温度は1〜2度上がりますが、約2分で元に戻るため冷凍庫内の温度が上がる心配はありません。
氷を応用したレシピ
今まで紹介した氷の作り方を応用したおいしいデザートや料理のレシピを紹介します。
夏にはぴったりのものばかりなので、ぜひ試して見てください。
作り方はとても簡単で、過冷却水はとても不思議なので、子供と一緒に作ると喜びますよ。
瞬間シャーベット
■材料
・氷
・塩
・水
・ペットボトル
■作り方
1.鍋に氷を入れて塩を振ります。
通常よりも冷たい氷水ができます。
2.水を入れたペットボトルを1に入れます。
3.ペットボトルを動かさないように、約1時間そのまま置いておきます。
見た目は普通の水ですが、この過冷却水をゆっくりと注ぐと一瞬でシャーベットのように凍ります。
ジュースやお茶で応用すれば、おいしいシャーベットを作ることができます。
氷のミルフィーユ
■材料
・ジュース
・お椀(熱を通しにくい容器)
■作り方
1.お椀にジュースを注ぎます。
2.お椀を冷凍庫に入れて、約2時間凍らせます。
氷が層のように固まるので、ミルフィーユのような氷が出来上がります。
魔法のミネラルウォーター
■材料
・過冷却水
・凍らせたレモンとライムの薄切り
・ミント
■作り方
1.グラスにライムとミントを入れて、過冷却水を注ぎます。
2.ミントを飾ればできあがり。
氷だし
■材料
・水…400cc
・しょう油…大さじ4
・みりん…大さじ4
・かつお節…5g
・しょうが汁…小さじ2
■作り方
1.鍋に水、しょう油、みりん、かつお節を入れて、ひと煮立ちさせます。
2.1を濾してボウルに入れて、しょうが汁を加えます。
3.バットにタオルを敷いて、さらにバットを重ね、2を入れます。
4.冷凍庫に入れて凍らせます。
ミルフィーユ状なので簡単にフォークなどで崩して好きなだけ取ることができます。
そばや豆腐にのせて食べると、夏らしい涼しげな逸品に早変わり。